Ikuta R. Kakinohana Y., Hamada S.(2024) Ultrastructural localization of calcium homeostasis modulator 1 in mouse taste buds Chemical Senses 49, bjae019
味細胞と味覚神経線維の間ではシナプスが形成されますが、Ⅱ型細胞と味覚神経線維の間のシナプスは普通の化学シナプスではありません。CALHM1とCALHM3というタンパク質でできた電位依存性のチャネルにより、味細胞の神経伝達物質であるATPがシナプス間隙に放出されるのです。この変わったシナプスには”チャネルシナプス”という名前がつけられています。これまでにチャネルシナプスのモデルが発表されていました(左)。私達は、新たにCALHM1に対するモノクローナル抗体を作成して、モデルで予想されていた通り、ミトコンドリアが細胞膜に密着している部分に一致してCALHM1が検出されることを示しました(右)。
一枚の写真で明瞭にモデルの正当性を示すという仕事は、形態学をベースとした研究をしているものにとって特別に嬉しいものです。